「オフィスチェアは疲れる」という問題

オフィスチェアを使っていて「疲れる」という感想をよく目にする。

オフィスチェアは仕事をするためのチェア(ワークチェア)なので、リラックスするためのチェアではない。

だから、自宅でくつろぐための椅子としてオフィスチェアを買ってしまうと、「これじゃない」問題が起きる。

姿勢を正してくれるから「疲れない」し、同時に「疲れる」という矛盾

仕事で1日7時間パソコンに向かうとしよう。そのとき、崩れた姿勢でやってしまうと、腰や首に負担がかかって、あちこちが痛くなる。

高級オフィスチェアのように姿勢を正してくれる椅子(骨盤を立てた状態で座れる椅子)だと、長時間の仕事もまったく身体に負担がない。だから身体は疲れない。集中力を維持して仕事に取り組める。

しかし、だ。

夜になり、さすがに心身がつかれて、自宅に帰る。自宅ではぐっすりリラックスしたい。

もちろん、SNSをやったりゲームをやったり動画をみたりと、パソコンはする。しかし、リラックスしたい。

こんなイメージだ。ソファなりリクライニングチェアで、身体の姿勢を崩して、ダラダラしたいわけである。

こんなときに、姿勢をきっちり正すオフィスチェアに坐ると、「いや、ちょっとリラックスさせてよ」となる。

間違っても、リラックスする用途でオフィスチェアを買ってはいけないのだ。

オフィスチェアを買ってから、「疲れる」と文句を言う人は、このあたりを勘違いしてしまったと思われる。

姿勢を正すから「長時間でも疲れずに仕事ができる」という一方で、姿勢を崩すから「リラックスして疲れを癒せる」ということ。

リクライニングはリラックスのためではない

高級オフィスチェアはどれもリクライニング機能がある。

リクライニングというのは、背もたれが後ろに倒れて角度調節ができる機能のこと。木の椅子のように直立で固まっているわけではなく、背もたれを倒すことができる。

この機能はなんとなくリラックス用に使える気がする。

しかし、オフィスチェアにおいては、後傾姿勢で作業(デスクトップのキーボード入力など)をするときに使用したり、作業の合間に一息ついて伸びをしたりするために使う。

ソファのようなふかふかのクッションはないので、オフィスチェアのリクライニングを倒して寝たところでリラックス感は思ったほどない。

リクライニング機能=リラックスチェアというは大間違いなので悪しからず。

オフィスチェアはあくまでワークチェアであり、寛ぎたいならソファへどうぞ。