イトーキのオフィスチェア「セレーオチェア」。

イトーキの独自機構を組み込んだ高機能チェア。実際に買ったので、このページでレビュー。
セレーオチェアの特徴
- 「セレーオ(Celeeo)」は、もてなしや心配りを意味するスペイン語「celos」と、流れるデザインをイメージした造語。
- 着座と同時に座が沈み込みながら後方へスライドするパッシブ・スライド・シート(P.S.S.)機構。
- 背もたれランバー部が前方にせりだすアクティブ・ランバー・サポート(A.L.S.)機構。
- オートマチックテンションロッキング:体格や体重に応じてロッキングの強弱が操作なしで最適な強さに自動調節。
- ベンディングシート:座面がたわむので体に馴染む。
公式サイト「セレーオチェア」
買ってみた
メルカリで安い中古を発見して、思わず購入してしまった。
車で直接引き取りに行ったのだが、業者の人が「本当は高い椅子なんですよ」としみじみ語っていた。おそらく、知名度がなくて売れ残ってしまったので安値で売り出したのだろう。

定価20万円クラスのオフィスチェアだけあって、まずまずの高級感。
腰のサポートがすごい
セレーオを語るときに欠かせないのは、パッシブ・スライド・シート(P.S.S.)とアクティブ・ランバー・サポートという機構。
大人気だったスピーナチェアから継承されたイトーキ独自の機構だ。

要するに、座ると座面が沈み込む。それに合わせて背面のランバーサポートがせり出してくる。
これによって、座る人の体型に合わせてピッタリとランバーサポートが吸い付いてくる。最初に座ったときはちょっと感動した。
以前、出先でスピーナチェアに座ったときは、これほど腰のサポートをしてくれる感覚はなかった。セレーオは新しい機種だけあって、パワーアップしているのだろうか。
これほど腰のサポートをしてくれるオフィスチェアはちょっと珍しいのではないか。腰痛持ちの人にぜひおすすめしたい。

きっちり腰のサポートをしてくれるということは、立ち姿勢のまま座れることになる。ワークチェアとして最適な姿勢を維持できる。(姿勢を崩してリラックスするタイプの椅子ではないので注意)
座面の座り心地も良い
もう一つ、このチェアで良いと思ったのは、座面の座り心地だ。

セレーオにはベンディングシートという機構があって、座面がたわむようになっている。

クッションを支えるインナーシェルにスリットが入っていて、負荷がかかるとたわむ。それが可能になる空洞もある。これによって、お尻にフィットするようになる。
安定感はあるけど弾力があるような心地よさ。見事な工夫だ。
座面の調節がなくても大丈夫だった
唯一、心配だったのは、このチェアには座面の奥行き調節がないこと。
私の身長は176cmほどで、やや背が高い方なので、座面の奥行き調節がないと座面が小さく感じる可能性がある。
以前、ヴィスコンテを使っていたときは、座面の奥行き調節がないタイプを買ってしまったためにやや疲れた。
セレーオに座ってみたら、座面の調節ができなくても小さく感じなかった。不思議だ。

ランバーサポートがせり出してきて吸い付くので、体重の負荷が分散されるからだと思われる。
セレーオに知名度がない理由
けっこう良いチェアなのに知名度(人気)がないのはなぜだろうか。
オフィスチェアマニアとして以下のように感じた。
1.独自機構のメリットがわかりずらい
「パッシブ・スライド・シート」と「アクティブ・ランバー・サポート」という自慢の独自機構を全面に出しているが、読んだだけではメリットがよくわからない。
座ってみれば、ぴったり吸い付くランバーサポートの良さがわかる。技術よりもメリットを前面に出してアピールしたほうがいい。
2.共有チェアのイメージ先行
セレーオには、座面の奥行き調節がないし、ロッキング強度の調節がない。独自機構によって、調節する部分を少なくしている。
「調節しなくても誰でもフィットしますよ」という強みは、オフィスの共有チェアにふさわしい。個人客からそっぽを向かれてしまった。
3.公式サイトを読んでもソソられない
公式サイトの情報量が少ないし、内容が大人しすぎる。他の有名チェアのサイトをみならって、読んだだけで買いたくなるような工夫が必要だ。
定価7万円程度のスマホは、公式サイトに力を入れて、あらゆるWEBマーケティングをしている。定価20万円のオフィスチェアは、なぜ淡白なサイトなのだろう。法人顧客でもWEB情報を重視していると思うのだが。
だからこそ狙い目
というわけで、知名度がないだけに、メルカリやヤフオクでも検索する人がほとんどいないはず。中古価格はどんどん下がるので、狙い目だ。
あらゆる中古品に言えることだが、知名度がなくて良いチェアをネットで探すのが、上手なお買い物のコツとなる。
オカムラのバロンのような人気チェアは、明らに割高な中古価格がついている。「オカムラ バロン」で検索されて指名買いされるからだ。
一般人が検索しない機種を選ぶと、びっくりするほど安く買える。