オフィスチェアは高価なので、その寿命は誰もが気になるところ。
明確な統計はないので、確実なことは誰にもわからない。
「このオフィスチェアの寿命は◯年です」と言える人はいない。
個人的な印象としては、高級なオフィスチェアはまず壊れない。
安物のチェアでさえ10年は普通に持つ
私が1万円くらいで買ったLOASの安物チェアは、購入から20年たったが普通に使える。多少のガタはきているが気になるほどでもない。
高級なオフィスチェアとなれば、10年でも20年でも普通に使えてしまう。
実際、オフィスチェアの中では廉価とされるオカムラのヴィスコンテは、中古で買って12年たったが、わずかなガタさえきていない。(おそらく製造から15年以上たっている)
安いものであれ、高いものであれ、そもそもチェアは滅多に壊れるものではない。
学校のパイプ椅子でさえ30年選手はざらだ。(構造が単純なので、むしろ長持ちするのかも知れないが)
オフィスチェアを買って、万が一、10年以内に壊れたら、運の悪さを嘆いていい。
高級オフィスチェアは20年使うつもりで
50歳の人がオフィスチェアを買ったとしたら、冗談抜きで死ぬまで使える確率が高い。
最低でも20年は使えるとみて間違いない。
そう考えると、家電製品を購入するときのように、「何年もつかな?」なんて考えるのは野暮というもの。
家具のようにずっと使える前提でオフィスチェアを選んでいい。
20年は最低期間であって、30年40年と使えるのが高級チェアというもの。
使い方による寿命の変化:積載負荷
使い方によって寿命が変わる点について考えてみよう。
まず、チェアには耐えられる限度の重さがある。これを「最大積載質量」という。
オカムラのバロンは150kg。ハーマンミラーのアーロンチェアは159kgだ。
高級オフィスチェアはだいたい150kg前後が重さの限度となる。
最大積載質量を超えないとしても、「重さ」はチェアにとって負荷になることを覚えておこう。
体重70kgの人が毎日使うケースと、体重130kgの人が毎日使うケースを考えていただきたい。当然ながら、後者の方がチェアの負担は大きい。
使う人の体重によって寿命は変わってくるはずだ。
使い方による寿命の変化:可動域の使用頻度
もうひとつ。使い方によって寿命が変わるポイントとして、可動域の使用頻度がある。
高さ調節にしても、リクライニングにしても、可動する部分はそれだけ機構に負担がかかる。
たとえば、高さ調節を毎日していると、その部分の劣化がより進むことが予想される。
個人所有のオフィスチェアであれば、一度自分用に調節してしまえば、再調節することは稀だと思う。
しかし、公共図書館とかオフィスのチェアのように、複数の人が座るチェアは調節回数が飛躍的に増える。その分だけ、寿命が早まると考えられる。
このように、使い方によっても寿命は大きく変わってくることだろう。
やたら寿命が長いオフィスチェアとは
上記の2つの「使い方による寿命の変化」を考えてみると、ある結論が導き出される。
体重が重すぎない(通常体型)の人で、共用ではなく個人所有のオフィスチェアは、かなり長持ちすることだろう。
通常体型の個人が使えばチェアは長持ちするということ。
オフィスチェアへの負担が比較的少ないからである。
公共の場で使われるオフィスチェアの寿命が20年だとしたら、通常体型の個人のオフィスチェアは40年。このくらいの違いが出るかもしれない。
チェアの寿命がきたサイン
チェアの寿命を知らせるサインとして、「ガタツキ」「キシミ」「異音」の3つがある。
座ってみたらガタつく。体重をかけたときにキシム。動いたときに異音がする。
こうなってくると寿命が近いことが考えられる。
あと当然ながら、「高さ調節ができない」「リクライニングができない」など、可動域が動かなくなったら、それはもう故障したということだ。
安全のためにも買い替えを考えた方がいいだろう。
中古を買うと寿命が短い?
オフィスチェアにいつか寿命がくるとすれば、中古を買うとそれだけ寿命が近いということだろうか。
誰かが10年使ったチェアを買えば、自分は11年目から使うことになる。
そのチェアが30年で寿命が来るとすれば、たしかに「20年しか使えなかった」「中古だから寿命が早かった」といえるだろう。
しかし、中古で買って20年も使ったあげくに嘆く人はいるだろうか。中古の価格は劇的に安いことを考えれば、十分すぎるくらいだ。
オフィスチェアのように長期間(数十年)にわたって使えるものは、中古でも十分に長く使えるのである。
結局のところオフィスチェアは安いのだ
オフィスチェアは20年以上は持つことを前提にする。最低でも20年間使うつもりで買うとしよう。
仮に、高級チェアであるオカムラのコンテッサをヘッドレスト付きフル装備で買うとする。新品で20万円は予算をみておこう。
20年持つとすれば、7300日使えることになる。
1日にするとわずか27円ほど(笑。
うまい棒3本の値段で、毎日コンテッサに座れるのである。
コンテッサは新品で買っても安いじゃないか。
冗談はさておき、長く使うものはお金をかけても元が取れるのは事実だ。
10万円20万円が当たり前のオフィスチェアは、実はけっこう安いのである。