ハーマンミラーのオフィスチェア「ミラ2」
ミラチェアの後続機。大幅に軽量化して「動き」を重視。
ミラ2チェアの機能と特徴
- ミラチェアの続編。ミラチェアよりも大幅に軽量化した。
- 動きのあるシーティングがコンセプトで、背面が柔軟に動く。
- バタフライバック機構:布地と成型ポリマーのハイブリッド構造。
- エアウェーブ2サスペンションシート:いわゆる座面メッシュのこと。
- ランバーサポート上下移動。
- 前傾チルト:約7度の前傾ポジションに設定可能。
公式サイト「ミラ2」
バタフライバックという命名の妙
ミラ2チェアを見て、まっさきに注目すべきは、背面の材質。
背面は、成型ポリマー(頑丈なうえに弾性のあるプラスチックといったイメージ)で網目状にできている。そこに布地がついている。
まず、材質はともかく、プラスチックっぽい材質の背面のチェアは非常に多い。アーロンがそうだし、私が持っているヴィスコンテやパルスもそう。
通気性が抜群なうえに、背もたれのサポート感が強くて、ワークチェアに適している。
それらのチェアは、布地をかぶせるオプション品があったりする。
ミラ2チェアは、単に布地をかぶせるオプションとせず、「バタフライバック機能」という名前でデフォルトにした。
たいして変わらないものなのに、消費者への訴求力は抜群だ。ハーマンミラーはつくづく商売が上手い。
・・・ちょっとディスった感じになったが、かぶせた布地よりもサポート感のある作りになっている。
布地でいったん背面をサポートしてから、成型ポリマーでしっかりサポートというハイブリッド構造なので、背面の動きに追従するような感覚が味わえるという。
座面メッシュをエアウェーブ2サスペンションシートと名付ける
同様に、座面にも絶妙な機能名がついている。
その名も「エアウェーブ2サスペンションシート」。
ミラチェアの座面はウレタンのクッションだったので、それを取り除いたと説明している。つまり、「座面がメッシュになって、通気性がよくなりましたよ」とのこと。
「座面メッシュ」はよくあるから、「エアウェーブ2サスペンションシート」と名前をつけるあたり、やはり商売が上手い。
ともかく、座面がメッシュになれば、お尻に熱がこもることがないので、長時間のシーティングも快適だ。
ランバーサポートを上下できるのは大事
地味に重要なのは、ランバーサポートの上下調節。
人によって身長が違うので、ランバーサポート固定だと合わない人が出てくる。
どういう機構にするにせよ、背面のカーブをずらせるのは大切だと思う。
同じくハーマンミラーのエンボディでは、かなり大掛かりな仕組みで背面カーブを調節できる。
意外にも、こういった機能がない高級チェアがけっこうある。
試座せずに買うなら、背面のカーブを調節できる機構(=ランバーサポートの上下調節でもOK)がついているチェアが安心だ。
うれしい前傾サポート
ミラ2チェアで忘れてはいけないのは、アーロンと同じ前傾チルト機能。
前傾で作業する人に欠かせない機能がついている。
紙(書類)を読んだり、書くような作業が多いケースでは、前傾チルトがあるとはかどるはずだ。
実際にはキーボードでも前傾気味でタイピングする人も少なくない。
おすすめ度が高いが気になる点は2つ
上記であれこれ書いてきたが、いかにも良いチェアっぽい感じだ。
メッシュタイプのチェアとして、これといった弱点が見当たらない。特に、前傾機能が欲しい人にとっては有力な選択肢になるはず。
新品で15万円程度なので、ハーマンミラーの中では安い部類に入るのもポイント。
気になるポイント1:動きのない人はどうする?
ミラ2チェアのコンセプトは「動き」。
オフィスの中で、共同作業をするときに、立ったり座ったり、書類を受け取るために肩を開いたりと、そういった人のためのチェアらしい。
自室で座りっぱなしで長時間作業する人にとっては、コンセプトからずれてしまう。
気になるポイント2:ヘッドレストがない
ヘッドレストがオプションにもない。
ハーマンミラーのオフィスチェアは、ほとんどヘッドレストがない。仕事の椅子にヘッドレストは不要、というのがハーマンミラーの方針。
しかし、長時間にわたって後傾姿勢でPC作業するなら、ヘッドレストがないと厳しい。
ということで前傾姿勢用の椅子ということになる。