オフィスチェアの保証期間はどのくらい?

有名メーカーによるオフィスチェアは、新品価格が7万〜20万円程度と値が張る。

各メーカーによる保証はどうなっているのか調べてみた。

日本メーカーは同一基準

日本の著名なメーカー(オカムラ、イトーキ、内田洋行など)は、社団法人オフィス家具協会(JOIFA)に加入している。

オフィス家具協会のガイドラインに基づき、製品の保証内容を定めている。

気になる保証は?

  • 1年:外装・表面仕上(塗装および樹脂部品の変・褐色、レザークロスの磨耗)
  • 2年:機構部・可動部(引出し・スライド機構・扉の開閉・錠前・昇降機能の故障)
  • 3年:構造体(強度・構造体に係る破損)

当サイトでご紹介しているような有名メーカーは、みんなこの保証になっている。

→ オカムラFAQ

→ イトーキFAQ

→ 内田洋行 JOIFA番号について

コクヨについてはFAQで探したんですが出てこない。サイトの作りが悪いので発見できないが、天下のコクヨだからたぶん同じでしょう。

保証期間と内容は十分か?

上記の保証は、オフィスチェアの外装は1年、昇降機能は2年、構造体そのものは3年といった保証内容。

この保証で十分なのだろうか?

家電と比較すれば十分に見える。15万円の液晶テレビを買っても、メーカー保証は通常1年なので。

同じような価格のオフィスチェアで、保証が1年〜3年あれば、問題はないはず。

保証を過ぎたからと言ってすぐに壊れるわけでもない。

ちなみに、保証については、以下のバスタブ曲線を理解することが大切なので解説したい。

故障はバスタブ曲線

バスタブ曲線とは、故障率曲線とも呼ばれる。製品の故障率と時間の関係を示している。

製品が完成した最初の段階では故障率が高くなる。それは製造プロセスで生じる初期不良である。

初期不良がない製品については、故障率は一定以下で推移する

やがて時間がたてば、どんな製品でも経年劣化で故障率は上がる。

つまり、故障率が高いのは最初と最後となる。バスタブのような曲線になる。

最初は故障率が高く(初期不良)、初期不良がないものは故障率が低くなる。やがて時間とともに故障率は上がる(経年劣化)。

これはどんな製品にも当てはまる故障率の一般法則。

メーカー保証は初期不良に備えるもの

メーカーによる製品保証は、製造不良(初期不良)を保証するものなので、最初の期間を保証することになる。

最初の期間において故障がなければ、その後は故障のリスクは低くなる。

経年劣化による故障は保証のしようがない。永久保証なんて言ってるのは、進化の早い半導体メモリくらい。

オフィスチェアについても、最初の1年〜3年間まで問題がなければ、それは製造上の問題がなかったと考えらるので、その後は長期に渡って故障するリスクは少ないと考えられる

ということで、オフィスチェアの保証は構造体3年で十分だといえる。

アーロンチェアが12年保証の理由

ここで思い出すのは、アーロンチェアの12年保証。

→ ハーマンミラー 品質保証

12年間もの長期にわたってアーロンチェアは保証がある。

ただし、以下の注記があることに注意しよう。

品質保証の適用範囲
製造上の瑕疵のみに適用されます。

あくまで製造上に瑕疵がある故障だけが保証される。

過度の負荷がかかったことによる故障や破損、使用上の過失による故障や破損等の修理は有償となります。

その故障が、製造上の瑕疵により生じたものなのか、使用上の過失によるものなのか、その微妙な判断が問われることになる

あなたのアーロンチェアが壊れたときは、故障原因をめぐって熾烈なバトルが待っているかも知れない。

さらに言えば、そもそも初期不良でなければ、高級なオフィスチェアは10年程度は余裕で持つ。

アーロンチェアは価格が高いこともあり、長期保証分のコストは最初から価格に含まれていると考えられる。

だから、「アーロンチェアは他の高級オフィスチェアよりも格段に素晴らしいから12年保証をつけられる」と安易に考えるべきではない。

そうはいっても「12年保証」というのは気合が伝わってくるので、個人的には好きだが。

なぜ日本のメーカーは長期保証を嫌うのか

日本のメーカーにしても、販売価格を1万円くらい高くすれば、12年保証を余裕でつけられるはずだ。

日本の高級オフィスチェアがアーロンチェアに品質で劣っているなんて、とても考えられない。

なぜ日本のメーカーは、アーロンチェアに対抗して長期保証をつけないのか。

日本の文化では、製造上の瑕疵かどうかをめぐってメーカーと消費者が争うことを嫌うからだと思われる。

長期保証をつければ、アーロンチェアのように「それが製造上の瑕疵か、消費者の瑕疵か」についてバトルをすることになる。

欧米ならそういった争いは日常茶飯事化も知れないが、日本ではあまり望ましいことではない。気の弱い消費者がバトルを避けて恨みを残し、祟り神となってネットクレーマーとなってはたまらない。

ということで、日本のメーカーは、消費者とバトルをする保証をつけたがらないのである。

オフィスチェアを使って10年もたてば、仮に壊れたとしても、「それが製造上の瑕疵か、利用上の瑕疵か」なんて判断するのは不可能に近いはずだ。それでも「戦います」と言えるメーカーだけが長期保証をつける。

ということで、争いを避けたい日本メーカーが日本市場において長期保証をつけられないのは、やむを得ない側面がある。

そうはいっても、やはり私は長期保証が好きだが(ドヤ顔で自信まんまんのメーカーが好きなので)。