通常より体が大きい人は、より慎重にオフィスチェアを選ぶ必要がある。
たとえば、体重90kgを超える人は、「チェアを買ったけど体に合わない」ことが頻繁に起きる。
このページでは、体が大きな人に向けて、オフィスチェア選びのポイントを紹介したい。
「体が大きい人」って、具体的には?
総務省「国民健康・栄養調査」(2018年1月版)によれば、日本人の平均身長・体重は以下のとおりである。
- 男性:20歳以上:平均身長 167.7cm :平均体重 66.8kg
- 女性:20歳以上:平均身長 154.1cm :平均体重 53.2kg
上記は70代、80代の高齢者も含まれているので、労働者人口の平均でみると、身長も体重も少し高くなる。
日本のメーカーなら、日本人の平均身長・体重に合わせてオフィスチェアを作っているはずだ。
日本の成人男性の平均体重は70kg弱だとすると、体重90kgを超えたあたりから「特に体が大きい人」だと考えられる。
調節機能とシリーズで対応可能なケース
オフィスチェアによって多少の違いはあるが、調節機能が通常は付いている。
- 座面の昇降調節
- 座面の奥行き調節
- ランバーサポート部分の調節
これらの調節機能によって、自分の体格にチェアを合わせることができる。
また、チェアによっては背面サイズのラインナップが用意されている。
たとえばバロンだったら以下のラインナップがある。
- エクストラハイバック
- ハイバック
- ローバック
自分の体に合わせてサイズを選ぶことが可能だ。
調節機能とサイズラインナップによって、体が大きな人でもある程度までは対応可能だ。
特に体が大きい人はどうするか
90kg以上の大柄な人は、調節機能とサイズラインナップで対応できないかも知れない。
一つの解決策は、実際に座ってから買うことだ。
各メーカーはオフィスチェアのショールームを用意している。また、ブランドは限られるが、大塚家具のような高級家具店でも座れる。
ショールームで実際に座ってから買う。
これがベストだが、当たり前すぎる。これを結論にしたら、オフィスチェア.comの名前がすたる。
ということで、オフィスチェア選びのコツを列挙してみたい。
大きな座面のチェアを選ぶ
まず、体が大きい人は、大きな座面のオフィスチェアを探そう。
オフィスチェアの機種によって、座面の大きさが異なる。
座面を比較するときは、座幅に注目しよう。座面奥行きは調節機能があるから、座幅が重要だ。
それぞれのコンセプトによっては、ゆったり目に座るチェアもあれば、タイトに座るチェアもある。
オカムラのオフィスチェアをいくつか比較したい。
<座幅の違い>
- バロン :エクストラハイバック 495mm
- コンテッサ : ヘッドレストタイプ 520mm
- デューク :エイクストラハイバック 530mm
わずか数センチの違いだと侮るなかれ。
座ったときの感触は、びっくりするほど違う。
ワークスタイルを全面に押し出したバロンは小さい座面。
エグゼクティブが座るデュークは大きな座面となっている。
コンテッサも座面は大きめ。
ということで、体が大きな人は、できるだけ大きな座面の機種を選んだ方がいい。
材質選び:メッシュはリスクが高くなる
体が大きな人にとっては、メッシュタイプのチェアは避けた方がいいかもしれない。
メッシュとクッションを比べると、メッシュはどうしても反発力が足りなくなる。
特に、座面メッシュは避けたほうがいい。
体の重さでおしりが沈み込んで、座り心地が悪くなるリスクがある。
また背面メッシュについても、体が特に大きな人はフレームがあたってしまうことがある。
体重90kgを超えるほど体が大きな人は、座面も背面もクッションタイプを選んだほうが無難だと思われる。
たしかに、メッシュタイプのチェアは蒸れないので快適である。どうしても、メッシュがいいなら、それこそショールームで試してから買うことをオススメしたい。
通気性が気になるなら樹脂系のメッシュ
クッションは蒸れるから避けたいのが人情だ。
体重90kgを超える人でも、せめて背面はメッシュにしたいかもしれない。
それなら、硬い樹脂でできた背面メッシュを選ぶといい。(これをメッシュと呼ばない人もいるが、空気を通す網の目形状なので当サイトはメッシュと呼んでいる)
代表的なのは、アーロンチェア。背面はペリクルという素材のメッシュだ。蒸れを避けながらも強い反発力がある。
また、米国メーカーだけあって、かなり大きな人でも対応するサイズラインナップがある。
アーロンチェアを買ってしまえば話は早いが、価格が高いのが難点だ。
ヴィスコンテやパルスも樹脂系のメッシュだが、体が大きな人に勧められるかというと微妙だ。
メッシュではないが、イトーキのスピーナチェアも背面が蒸れないようになっている。スピーナなら体が大きな人でも問題ないと思われる。
(イトーキを買うなら、クッションタイプではあるがフリップフラップを試してみたい気がする)